東日本大震災から10年が経ちました。
新たな脅威である新型コロナウイルスが、じわじわと私たちの日常生活を変えてしまい、10年前に感じた強烈な恐怖が薄れゆくのを感じています。
とはいえ、災害は突発的なもの、いつ来るかわからないその時のために、備えておくのは大事です。
ふと、思いました。「私が住んでる場所の避難所ってペットの受け入れできるんだっけ?」
私はペットを飼っていないのですが、状況を知っておくのは良いだろうと思いたち、市役所に電話してみました。(当サイトを運営する「いぬねこカウンシル」は福岡市を中心に活動しておりますので、福岡市にお電話しました。)
災害時に私が行く避難所を統括する担当部署にお電話すると、「各避難所の個別のことなので、調べて折り返していただける」とのことで、午前中にお電話し、午後に折り返しのお電話をいただきました。
ちなみに質問は以下です。
①犬と猫を飼っているんですが、ペットは避難所の建物内に受け入れられますか?
②建物内に入れない場合、避難所に付属する校庭や駐車場などに車で乗り入れて、ペットと一緒にいることはできますか?
③避難所に付属する校庭や駐車場などにテントを立てて、ペットと一緒にいることはできますか?
①に対する福岡市のご担当者の回答
災害時には、同行避難(災害時に、飼い主がペットを連れて一緒に避難すること、避難所でペットと一緒に過ごせるかどうかは、各自治体や避難所の判断に任されてる)をお願いしているが、基本的には避難所の中にペットは入れないので、犬もしくは、猫をケージに入れた状態で軒先においていただく。
犬の場合、リードを括り付けておく柱などがあれば、そこにつないでいただくことも可能。頭数により柔軟に対応する。
台風・洪水の場合は、建物内に入るかどうか、現場の状況により判断する。
②に対する福岡市のご担当者の回答
ご指定の避難所は小学校で、体育館が避難所に指定されているので、基本的には体育館内のみで過ごしてもらうことを想定しているが、その時の管理者の判断で、教室や校庭を避難所にする場合もある(例:熊本地震)が、原則としては車の乗り入れはできない。災害時に車の移動はお勧めしていない。
③に対する福岡市のご担当者の回答
原則的にはできないが、災害の規模や状況によって、避難所の管理者が判断する
合わせてご担当者にお知らせいただいたのは、台風、洪水の場合、マンションなどの自宅が頑丈な建物であれば、備蓄をして自宅で避難していただくことをお勧めしている。ペットは、近隣の知り合いに預けるなどの対応をお願いしたい。
以上が、ご担当者の回答です。
結論としては、「災害時に、ペットの対応はこうする」といった方針は決まっておらず、その場の状況に応じて対応するということでした。
避難所の建物の中へのペットの受け入れには、さまざまなハードルがあります。
ペットを飼っている方は、不安な災害時には一緒に居たいと思うでしょうが、まずは人優先ですし、避難所の建物自体が、ペット連れと人のみの空間に分けられない場合もあるでしょう。
しかし、福岡市の近隣である久留米市では、新しい試みが行われているようです。それは、”ペット同伴避難所設置”です。1箇所ではありますが、久留米市として初めて、ペットとの同伴避難専用の避難所を災害時に1カ所設けるそうです。これはかなり大きな1歩ではないでしょうか。
福岡県久留米市は本年度から、市として初めて、ペットとの同伴避難専用の避難所を災害時に1カ所設ける。市内142カ所の指定避難所では、ペットを所定の飼育場に預けなければならず、避難をためらう飼い主もいた。市民から同伴避難所を求める声も出ていた。また指定避難所が遠い市民向けに、地域で独自に運営する避難所の設置も促す。近年頻発する豪雨災害で表面化した市民ニーズに応える。…
西日本新聞
また、尾道市では、5箇所の同伴避難が可能な避難所があるそうです。
https://www.city.onomichi.hiroshima.jp/site/bosai/27121.html
少しずつではありますが、各地でペットとの同伴避難の動きが出てきているようです。
ですが、お住まいの地域でペットとの同伴避難ができる確率は、限りなく低いですので、やはりもしもの時の預け先を決めておくなどの準備は、依然として大事です。
また、新型コロナウィルスの登場以来、感染症を防ぐため、災害時でも可能であれば在宅避難することが推奨されています。ペットや小さいお子さんがいる家庭は、ストレス軽減やプライバシー確保という理由でも在宅非難のメリットは大きいでしょう。
最後に、ペットを飼っているという体で福岡市役所の担当者とお話ししました。ご担当者さん、嘘ついてごめんなさい。また、お忙しいところご丁寧な対応をありがとうございました。