「 VMAT (ブイマット)」
一般には耳慣れない言葉ではありますが、
ペットの防災に関心をお持ちの方であれば、既にご存知ではないかと思います。
Veterinarian Medical Assistance Team
それぞれの頭文字を取り略してVMAT(ブイマット)と呼びます。
災害直後の人命救助を担う災害派遣医療チームである「 DMAT 」。
因みにこちらは、
Disaster Medical Assistance Team の略ですが、
この「 DMAT 」の目的の対象をヒトから動物へと置き換えたものが 「 VMAT 」だと言えます。
福岡県獣医師会は、「災害時に於ける、動物と飼い主のケア及び避難所の衛生環境の為にも獣医師や動物看護士が現場にも必要。」との考えから、2013年に全国で初めて 災害発生時に活動する災害派遣獣医療チーム「 福岡VMAT 」を組織しました。
2016年の熊本地震の際には、この「 福岡 VMAT 」から延べ60人の獣医師や動物看護士が派遣され、15日間に渡り支援を続けたそうです。
主な活動内容としては、
○ケガをした動物の救急処置
○避難所を巡回し健康診断
○ペットフードなど必要物資の移送
○被災者からのペットの健康に関する相談への対応
などでしたが、
他の避難者への遠慮からペットと共に車中泊を続ける被災者へは、熱中症やエコノミー症候群の危険もある為、避難所へ入るように説得をするケースもあったとのことです。
このような、動物を介して孤立した被災者へのケアもできたのはVMATならではの活動だったと評価されています。
この活躍については、地元にとどまらず全国的にも広く支持される事となり、
現在は大阪府や群馬県に於いても同様の活動を目的とした「 VMAT 」が組織されています。
しかし・・・
「 DMAT 」が国の防災基本計画にその役割が明記され、活動費用等についても国からの援助があるのに対して、「 VMAT 」は、各獣医師会と自治体との協定と上での活動となるようです。
「 VMAT 」が、そのポテンシャルを存分に発揮させる為には、まだまだ課題も残されているような気もします。